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雇用期間とは?試用期間との違い・契約更新の注意点

雇用期間とは?試用期間との違い・契約更新の注意点

① はじめに

雇用期間とは、会社と従業員との労働契約が継続する期間です。
終了日を定めない無期労働契約と、一定の終了日を定める有期労働契約があります。

一方、試用期間は、すでに成立している労働契約の中で、従業員の能力や適性、勤務態度などを確認するために設ける期間です。

雇用期間は、労働契約そのものが継続する期間です。
試用期間は、労働契約中に能力や適性を確認するための期間です。

従業員を採用する際に、「まず3か月働いてもらい、その後も雇用を続けるか判断したい」と考える会社は少なくありません。

しかし、会社が考えている契約内容と雇用契約書の記載が一致していないと、3か月後に自由に雇用を終了できず、本採用拒否や雇止めをめぐるトラブルにつながる可能性があります。

この記事では、雇用期間と試用期間の違い、本採用拒否と契約更新の取扱い、採用時に会社が確認しておきたいポイントを解説します。

② 雇用期間とは

雇用期間は、会社と従業員との労働契約が、どのような期間で継続するかを示すものです。

雇用契約書や労働条件通知書では、「契約期間」「労働契約の期間」などと記載されることもあります。

期間を定めなければ無期労働契約となり、開始日と終了日を定めれば有期労働契約となります。

無期労働契約
契約の終了日を定めずに雇用する契約です。一般的な正社員の雇用では、期間の定めがない契約が多く採用されています。
有期労働契約
「2026年4月1日から2027年3月31日まで」「契約期間は6か月間」など、契約の終了日や期間を定めて雇用する契約です。

有期労働契約では、契約期間に加えて、契約更新の有無、更新する場合の判断基準、更新上限なども明確にしておく必要があります。

③ 雇用期間と試用期間の違い

試用期間は、労働契約を締結する前の期間ではありません。

会社と従業員との労働契約はすでに成立しており、その契約の中で、実際の勤務を通じて能力や適性、勤務態度などを確認するために設ける期間です。

項目 雇用期間 試用期間
意味 労働契約そのものが継続する期間 労働契約中に設ける特別な期間
主な目的 期間の定めの有無や契約期間を明確にする 能力、適性、勤務状況などを確認する
期間終了時 有期契約では更新するか否かを判断する 労働契約自体は当然には終了しない
設定方法 期間を定めなければ無期契約、期間を定めれば有期契約となる 無期契約にも有期契約にも設定できる

雇用期間と試用期間は、どちらか一方だけを選択するものではありません。

無期労働契約に試用期間を設ける場合
雇用期間:期間の定めなし
試用期間:3か月
有期労働契約に試用期間を設ける場合
雇用期間:1年
試用期間:3か月

有期労働契約に3か月の試用期間を設けた場合、試用期間が終了しても、1年間の雇用期間が終了するわけではありません。

また、試用期間の長さについて法律上の一律の上限が定められているわけではありませんが、必要以上に長い期間を設定することは適切ではありません。

試用期間を設ける場合は、期間の長さ、試用期間中の労働条件、延長する可能性やその条件などを、雇用契約書や就業規則で明確にしておくことが重要です。

試用期間の基本的な考え方については、厚生労働省「試用期間」でも確認できます。

④ 期間が終了するとどうなるか

試用期間が終了する場合

試用期間が終了しても、労働契約そのものが当然に終了するわけではありません。

実際の勤務を通じて問題行動や明らかな能力不足が判明した場合には、本採用をしない方向で検討することも考えられます。

ただし、本採用拒否も法律上は解雇に当たります。

単に「会社に合わなかった」「期待していたほどではなかった」という理由だけで、本採用を拒否できるわけではありません。

問題となった行動や勤務状況、会社が行った指導、本人の説明、その後の改善状況などを具体的に整理する必要があります。

実務上のポイント
本採用を見送る可能性がある場合は、問題が発生した時点で本人へ伝え、必要な指導や改善の機会を設けます。面談内容、指導内容、改善期限、その後の状況についても記録を残しておくことが重要です。

なお、入社から14日以内であれば必ず自由に解雇できるというものではありません。

14日という基準は、試用期間中の従業員に対する解雇予告手続の例外に関係するものであり、本採用を拒否する理由が不要になるわけではありません。

雇用期間が終了する場合

有期労働契約では、契約締結時に明示した更新の有無や更新判断基準に基づき、契約期間満了時に更新するか否かを判断します。

更新判断基準としては、勤務成績、勤務態度、業務遂行能力、契約期間満了時の業務量、会社の経営状況などが考えられます。

ただし、更新判断基準を定めていれば、会社が自由に更新を拒否できるという意味ではありません。

契約を何度も更新している場合や、採用時・更新時の説明によって従業員に更新への合理的な期待が生じている場合は、雇止めが制限されることがあります。

また、有期労働契約を契約期間の途中で解雇するためには、やむを得ない事由が必要とされており、期間の定めがない労働契約の解雇よりも厳しく判断されます。

注意
有期労働契約は、期間を定めているから自由に終了できる契約ではありません。契約期間満了時の更新拒否と、契約期間途中の解雇は分けて考える必要があります。

有期労働契約の更新や雇止めに関する基本的なルールは、厚生労働省「労働契約」でも案内されています。

⑤ 3か月後に継続を判断したい場合

実務上、特に注意したいのは、会社の意図と雇用契約書の記載が一致していないケースです。

雇用契約書の記載例
・雇用期間:期間の定めなし
・試用期間:3か月
この場合、3か月間の有期労働契約ではありません。
期間の定めがない労働契約を締結したうえで、その契約中の最初の3か月を試用期間として設定したものです。

3か月が経過しても労働契約はそのまま継続するため、会社が雇用を終了する場合は、本採用拒否として解雇の有効性が問題になります。

会社が3か月後に契約を更新するか否かを判断したいのであれば、雇用期間、契約更新の有無、更新する場合の判断基準を明確に定める必要があります。

一方、正社員として長期雇用することを前提に、最初の3か月間で能力や適性を確認したいのであれば、期間の定めがない労働契約に試用期間を設定することが考えられます。

採用時には、「本採用の適否を判断したい」のか、「契約を更新するか判断したい」のかを分けて整理することが重要です。

⑥ 契約書と就業規則へ反映する

雇用期間や試用期間を設定する場合は、会社の意図を雇用契約書、労働条件通知書、就業規則へ正しく反映する必要があります。

特に、次の内容が書面上で一致しているかを確認します。

  • 雇用期間に定めがあるか
  • 契約の開始日と終了日
  • 契約更新の有無と判断基準
  • 試用期間の長さ
  • 試用期間中の労働条件
  • 本採用を判断する際の取扱い
  • 試用期間を延長する場合の条件

採用時の書面については、雇用契約書と労働条件通知書の違いでも解説しています。

また、常時10人以上の労働者を使用する事業場で試用期間を設ける場合は、就業規則にも試用期間の長さや取扱いを定め、個別の労働条件と内容を一致させておくことが重要です。

⑦ まとめ

雇用期間は労働契約そのものが継続する期間であり、試用期間は労働契約中に能力や適性などを確認するための期間です。試用期間が終了しても、労働契約が当然に終了するわけではありません。

本採用拒否を検討する場合は、問題行動や勤務状況、会社が行った指導、その後の改善状況などを確認する必要があります。有期労働契約では、契約期間満了時の更新判断と、契約期間途中の解雇を分けて考えることが重要です。

採用時には、会社が「本採用の適否を判断したい」のか「契約を更新するか判断したい」のかを整理し、雇用契約書、労働条件通知書、就業規則の内容を一致させておくことが重要です。

雇用期間や試用期間の設定・運用に迷っている会社へ
雇用契約書や労働条件通知書の記載、本採用拒否や契約更新の判断、就業規則との整合性など、個別の状況に応じて確認が必要な場合はご相談ください。
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